脱皮

両親の間でモーツァルトが大旋風を巻き起こしている。ウィーンに因んで、チョコレートケーキの王様、ザハットルテまで作ってしまう次第である。もちろんとっても美味しかった。人間は何か一つ「才」に恵まれて生まれてくるとしたら、母は間違いなく「料理」だなあ、と思う。そんなクラシックにどっぷりの両親に比べて、わたしは、移動中、ラモーンズばっかり聴いている。かわいい車を運転しながら、車内は爆音でラモーンズ。もちろんライヴ盤。1977年の「It's Alive」。足は小刻みにビートを刻む。マイナスの要素なんて吹っ飛んでしまう。だけど完璧にお別れするのには時間を要する。実際、失ったものを取り戻すにはどれくらいの時間が必要なんだろう、倍か、それともそれ以上か。どちらにしろやるしかないところまで来ているんだと思う。とにかく夏までに脱皮したい。いや、します。

映画館で「ヒミズ」を観た。有りか無しかで言うと、有りだと思う。ただ、これは自分の語彙不足で、自分が思ったこと感じたことをうまく言葉にできそうになくて悔しい。監督が良いのか、原作が良いのか、俳優が良いのか、どれだろう。これを機に、原作である古谷実の漫画も読んでみようと思う。「震災」の取り入れ方も含めて、感想を綴るのはそのときでいいかなと思う。(本当は今じゃないと駄目なのだけど)でもでも、これだけは言っておきたい。主役を務めた染谷くんは、素晴らしい俳優だと思った。ぼそぼそと低い声で台詞を言うのを聞く度に、「ヤンキー母校に帰る」(2003)の市原隼人が甦ってきて、ワクワクしたもんである。

他に最近借りてきて観た作品では、ドリュー・バリモア初監督作品の「ローラーガールズ・ダイアリー」とウェス・アンダーソン監督の「ファンタスティックMr.FOX」が良かったなあ。

若さ故の無敵さと、若さ故の未熟さが混同しながら進んでいく様に泣けた。このプロットで主役にエレン・ペイジを選んだところがさすが。それだけで観る価値があると思う。若者がこっそり夜の街に繰り出すシーンでかかる音楽というのは、いつだってドキドキするんだけど、ラモーンズの「Sheena Is A Punk Rocker」は最高にアガる。

こだわりのストップモーション・アニメという製法で作られたこの映画は、構想10年、撮影期間2年という、超大作なだけあって、素晴らしい。もうその一言に尽きる。時にファニーで時にシリアス。なんといっても、アップで映されたときの動物たちの表情がユニークで最高。おもしろ可笑しくもありながら可愛い動物たちの動作が急に「野生的」になったりして、空想的なようで現実的。子どもに見せるには少し難しいかなあと思ったりもするけど、将来自分に子どもができたら、是非見せてやりたいなあと思う。
将来、大きな公園の近くに住みたいというのは昔から願望としてあるんだけど、やっぱりホームシアターも諦めきれないなあ、と最近よく思う。できれば地下がいいんだけど、ここ地震大国ニッポンでは厳しいよなあ、と本気で頭を抱えている。3月の終わりにハワイに行く。それがキッカケになるのはもう目に見えているから今やれることはしたい。

2月に入ったら、楽しみなことが沢山ある。ライブだと、ペインズの単独、ハナレグミシャムキャッツ、笹倉慎介くん、そしてそして奇妙くんと下津くんのツーマン。(これはまだ仕事調整中なのだけれど)にしてもこんな夢のような組み合わせがあっていいのだろうか。行かないわけにはいかない。あとは、人生初の劇団四季。おばあちゃんと行く。楽しみだなあ。

あ、最近、スマイレージが熱い。アイドルに適わない部分ってやっぱり確実に存在するなあ。

「本当は 全部 決めてくれてもいいのよ 君が」