楽園

更新しない間にまた結構な時間が過ぎてしまった。別世界だと位置づけていても、やはり心は正直なもので、底までぎゅうぎゅうに押し込んでいたわたしがまた顔を出す。冬眠していた動物が春の訪れに目を覚ますように。感じるんだなぁ。「意地」なんて虫けらみたいなもんだ。全然かなわない。

3月下旬に旅行に行った。行き先はハワイ。空港に降り立った瞬間、空気のおいしさに感動してしまった。こんなことってあるんだなぁ。ホテルの部屋のベランダの向こうに広がる景色はわたしを一瞬にして掴んで離さなかったし、何より街も人もそれこそ空気そのものが陽気で、ここに居る間にいらないと思ったものは本当にいらない(いつかは手放す日が来る)んだなぁと思えた。これが一番大きかった。いろんなところにピースが落っこちていて、それを一つ一つ拾い集めて並べてみたら、そこにはわたしの本望がしっかりとあって、ああ変わってない、良かった、と思った。素晴らしいところというのは、イヤホンで耳を塞いでしまうこと自体が勿体ないと感じられるのに、ハワイは逆だった。音楽をたくさん聴きたくなった。The Virginsの「Hey Hey Girl」とかストーンズの「Happy」とかが妙にハマって何回も聴いたなぁ。

そしてついに!良いお値段のする鞄を買いました。(キャー)ああ、嬉しい。何回もなぞって、眺めて、ってしてしまう。大事にしようって何回も思う。自分が稼いだお金で欲しいものが買えるというのは本当に素晴らしいことだと思う。この歳になるとそろそろ親孝行の一つくらいしていかないとね。もうすぐ母の日。今年はお母さんとおばあちゃんを連れてお昼ご飯を食べに行く。片道1時間ちょっと車を走らせて。おいしい御膳を前にして顔がほころぶのを想像するだけで嬉しくなる。

NHKアジカンの特集番組を観た。「電波塔」「夜のコール」「君の街まで」が一気に聴けてしまったという今回のアリーナツアーに行けなかったことは結構なダメージをわたしに与えたけど、テレビを通してでも観れて良かったです。「夜のコール」の名曲っぷりにまた心を持っていかれてしまった。名曲というのはここがすごいとかそういうことをいう時間さえ無駄に思えてしまう。約10年前に「情熱の羅針盤は君の胸にありますか?」と問いかけた彼らは、10年経った今「情熱をリロード」と叫ぶ。変わらないでいることのほうが難しいのに、ずっと変わらないでいる(意図的でなく自然にそうなっているんだろうけど)彼らにしつこいぐらいにグッときてしまう。

最近は、曽我部恵一BANDの新譜(これは素晴らしい!)だったり、奇妙くんのトラベルスイングのLIVE音源盤(これも素晴らしい!でも生のほうが数億倍良い!)を購入。これもしつこいぐらい言ってるけど、奇妙くん、「イルミネーション」は名曲やわ〜。聴く度にそう思う。そしてその度に某動画サイトでアニメーションズを繰り返し見る、というのがもうお決まりのルートになってしまっている。あ、そうだ。ソカバンの新譜に入ってる「夜の行進」という曲は、奇妙くんが唄ってもハマると思うんだけど、カバーしてみるのとかどうですか、奇妙くん。
あと新譜でいうと、愛するシガヴェッツのセカンドが出ているみたいで早く聴きたい!久しぶりに「Sundowner」を聴いたら、当時のあれこれが甦ってきて、わーってなった。

最近買ったものの話の続きをすると、紡vol.5がやっと出て、楽しみにしていた椰月美智子さんの「かっこうの親 もずの子ども」を読んだ。家族の話ではなくて、母親と娘の話ではなくて、母親と息子の話。もうそれだけで分かってるなぁと思ってしまう。幾度となく押し寄せてくる葛藤の波はあれど統子(主人公)は、めちゃくちゃ良いお母さんで、計り知れない愛情の大きさに胸がぎゅっとなる。椰月さんの文章が放つ湿度にすっかり病みつきなわたしです。最近のお気に入りの作家さんは、椰月さんと窪美澄さんが堂々の一位!次回は統子の日常に一波来る感じで、すでに早く続きが読みたくてウズウズ。

とりあえず夏を目一杯楽しむためにも、夏まではいっぱい働くつもりです。夏には新しいことにもチャレンジするしワクワク。とりあえず今週は、久しぶりに美容院に行ったり、700枚近く溜まってほったらかしにしている写真たちをどうにかしないと、という感じでいつもとはちょっと違った週になりそう。