くらげ

ついについに、安藤明子を観た。一年ほど前に彼女の存在を知ったので、一年越し。すごかった。全身で小さく呼吸をしながら歌う彼女の演奏を観ながら、くらげみたいだなぁと思ったんだけど、よく考えたら、くらげって漢字で書くと「海の月」か。ああ、すごくしっくりきた今。彼女の歌は、圧倒的な幸福感、という言葉がとても似合うのだけれど、でも実はそれは全部見かけ騙しで本当は冷めていて、諦めに満ちていて(本当のところはそんなことは絶対にないのだろうけど。だってお話させてもらったらすごくチャーミングなかわいいお方だったし!)と考えずにはいられないところがすごく日常で。そう、彼女の歌は「日常」だ。新作EP『12』の最後に収録されている「さかなのうた」という曲がとにかくすごい。捕らわれてしまったかのようにこればっかり聴いている。京都からの帰りの深夜高速でライブ後に購入した『12』をかけた。涙が出た。深夜高速で安藤明子を聴く。部屋で安藤明子を聴く。どっちも必要。どっちも大切。ああ、日常だなあ、と思う。