やまぶき色

最近のわたしは、読書欲が強くて、「積読崩し」と題して目にとまった本を読んでいる。昨日読み終わったのはこれ。

るり姉 (双葉文庫)

るり姉 (双葉文庫)

椰月美智子『るり姉』。あっという間に読んでしまった。なんだろう、この幾度となく押し寄せてくる懐かしさは。これが過去からのものなのか、憧れによるものなのか。とにかくただただ懐かしくて、宮下奈都の解説にも書かれているように、時たま鼻の奥がつんとするのである。いずれにせよ、読んでいたらあらゆるものが芽吹かせてしまうような、到底適わない生き生きとしたものを感じる。バターが溶けて丸みを帯びたように穏やかで柔らかいこの世界にずっと浸っていたくなるけど、これはわたしたちが生きる世界の話なんだよなぁ。良い意味で淡々としていて、非常に読みやすいので是非。内容はもちろんのこと、網中いづるが手がけたカバーイラストがとにかく素晴らしい!大きく引き伸ばして、部屋に飾りたい!彼女の個展、関西でやってくれないかな。生で筆のタッチとか見たい。あ、椰月美智子といえば、『かっこうの親 もずの子ども』も要チェックです。

かっこうの親 もずの子ども

かっこうの親 もずの子ども

これは子育てしている母親はもちろんのこと、これから子育てをするすべての女性のバイブル的存在になりうる一冊なのだ。計り知れない愛情が、時に優しく、時に暴力的に、ひっきりなしに押し寄せてくるのだ。でも幼児も読めるような本になったらいいなぁと思う。黄菖蒲が咲き誇るそばを手を繋いだ統子と智康が歩いてる場面が挿絵付きで描かれたりしたら、泣いてしまう。それにしても、本を読んで、あれは良かった、これは悪かった、これは特にここが良かったよね、って色々分かち合いたいのに、そういう友達が近くにいないのが寂しい。良いものは共有したいよね、やっぱり。次は何を読もうか。


某動画サイトで最近話題になっている音楽を色々聴きまくっていたら、出逢ってしまった。

何これ。最高。泣ける。