おせっかい

賢く生きよう、と思ってから早一年が経った。今年に入ってからまだ一度もライヴに足を運んでいないことに気付いてびっくりする。CDショップに足を運んであれやこれやと試聴するも、わたしをドキドキさせてくれるものがなくてがっかりする。「25歳は毎日が土曜日みたいなものだよ」という言葉を残してアメリカへ旅立った友達があと数ヶ月で帰国する。この調子だと気付いたら夏だ。

窪美澄『アニバーサリー』を読んだ。

アニバーサリー

アニバーサリー

「生きる」ことに対する圧倒的な肯定な物語。それにつきる。『ふがいない僕は空を見た』や『晴天の迷いクジラ』を読んだときも同じことを思ったけれど、ここには生きることへの執着、覚悟、祈り、そして愛情がある。それらがむきだしにさらけ出されていて、読んでいると生気を吸い取られていく感じがする。読むのに体力がいる。それにしても窪さんの作品は読んでいたら、どうしてもお節介おばさんになってしまう。最後のページを読み終えた今でも、真菜はうまくやっていけてるかなぁ、とか考えちゃう。でもお節介って悪いことじゃないなーと思った。今の世の中、お節介おばさんが多い方がきっといいね。読了後、帯を外し表紙を見る。座ってぶらんこを漕ぐ女の子に対し、力強く立ち漕ぎをする女の子。そしてその奥にある四方八方を囲まれた工事現場。ここから連想されるのは、未だ収束していない原発というモンスター。ああ、世界はもうすぐ終わってしまうのだろうか、意地でも生きなきゃ、と強く思う。

彩瀬まる『あのひとは蜘蛛を潰せない』も読んだけれど、こちらの感想はまた今度。