上の空

生まれたての赤ちゃんに触れる。やわらかくて、無防備で、かわいくて、でも少しこわくて、だけどやっぱりかわいくて。結婚しているかしていないかに大差は感じないけど、子供を産んだか産んでいないかというのはこんなにも違うものなのかあ、とその大きさに打ちひしがれる。目の前にいる友達から、本能的なもの、多分これは母性というのだろうけど、を感じてそのパワーに圧倒される。そんなわたしは、少しの空いた時間に木皿泉の『二度寝で番茶』を読んでは、はあとか、ほおとか、よく分からない声を漏らしている。