人生のメリーゴーランド
好きなものの中で順位付けをするのが苦手で、基本好きなものは好き、嫌いなものは嫌い、それ以上でもそれ以下でもないという感じなのだけど、せめて片手分くらいは自分の中で確固たるものがほしいなともいつも思っていて、2018年はそこを追求できたらなと思う。2017年最後に観た『8年越しの花嫁』の影響もあってか、佐藤健の演技が猛烈に見たくなり、木皿泉脚本の大好きなドラマ『Q10』を見直す。いい作品というのは何回観ても、初めて観たときのように熱中して観てしまうなー。そして見逃していた、クリント・イーストウッド『ハドソン川の奇跡』をやっと観た。知識の量、処理の速さで問題を「片付ける」能力ではなく、知識を活用し問題を「解決する」能力、これこそ現代の私たちに求められているものだと思う。どれだけ技術が発展しても私たちを救えるのは私たちしかいないのだ。『君の名は。』もいいけど、これこそ地上波でするべき作品だと思う。
そして今日は、宮崎駿『ハウルの動く城』を観た。来週ジブリの立体建造物展に行くので、手元にある作品だけでも見直しておこうと軽い気持ちで見始めたのだが、すごく感動してしまった。わたしはこの映画すっっっごく好き。細かいこととかいい意味でどうでもよくなる。もう13年も前の作品だというのに全然色褪せない。もちろんエンディングに向かうにつれての見逃せない展開、ここが俗に言うクライマックスなんだろうけど、この作品の見所というか素晴らしいところは、何気ない日常の中で生まれる「あ、今わたし生きている!」という確かな実感を持って訪れる喜びがあらゆるところに散りばめられていることだと思う。台詞の細かい言い回しは忘れてしまったけれど、マルクルがソフィーに「行かないで」と抱きつくシーンで、「ぼくたち家族?」というマルクルの問いに「そうだよ」と答えるソフィー。もうこれ以上のものは何もいらないよ、という気持ちにさせてくれる。というか町の平和を守るために戦うハウルが実は弱虫という設定だけでもう最高。恐るべし、宮崎駿。
遅ればせながら、シャムキャッツの新曲「このままがいいね」を聴いた。
最高!!!この人たちはいつも最高の上を来てくれるね。もうずっと聴いていたい。ジャケット、将来マンションに住むことがあったら絶対玄関に飾りたいやつだ。
すぐそこまで
世の中にはわたしの知らないことがほんとうにたくさんあって、無知って一番恥ずかしいなってちゃんと自分で思えたことが今年一番の収穫だったように思う。でも思ったその先、が大事ですね。フットワークは常に軽くいたいなと心では思っていても、年齢を重ねるとどうもそれが難しいなと感じることが増えてきて、なんだかなーなんて勝手に負のループにとらわれて、ふとした瞬間にこれまで買ってきたCDや本はあと何回聴いたり読んだりできるんだろうって考えて、あまりの人生の短さに絶望したりして、わたしはあとどれくらい生きて、どんなところに足を運んで、どんな気持ちになるんだろう。人間の感情は光の速度の17倍の速度で変わっていくらしい。年末ですね。それぞれ両手で足りるくらいだけど、お金を出してでも手元に置いておきたいな、観たいなと思えるものと今年も出会えた喜び、噛みしめたいと思います。
まず、音楽編。定額で音楽聴き放題みたいなものにほんとに興味がなくて、今年聴いたもの=お金を出して購入したもの10枚(順不同)
1.シャムキャッツ『Friends Again』
2.never young beach『A GOOD TIME』
3.The xx『I See You』
5.高橋飛夢『キオクノシルシ』
7.コトリンゴ『「この世界の片隅に」オリジナルサウンドトラック』
8.YOGEE NEW WAVES『WAVES』
9.CHAI『ほめごろシリーズ』
ベストアルバムは紛れもなく、シャムキャッツ『Friends Again』で、菅原くん作詞作曲の「Riviera」と、夏目くん作詞作曲の「Travel Agency」の2曲が特に好きです。次点は「Coyote」「Lemon」「花草」かな。シャムキャッツって精神安定剤みたいなところがちょっとあって、彼らの作る曲たちは「寄り添う」ということがほんとに上手で、いつも優しくて大好き。きっと今日本で一番いいバンドってシャムキャッツだと思う。アルバム単位で聞かれることが少なくなった今、この「Friends Again」はアルバムを通して聞くことの素晴らしさを伝えてくれる希少な作品でもある。死ぬ瞬間に聞いていたい。
続いて、映画編。2016年は劇場で観たのが10本、今年は1本増えて11本でした。
1.矢口史靖『サバイバルファミリー』
3.バリー・ジェンキンス『ムーンライト』
4.ジェームズ・ガン『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』
5.デレク・シアンフランス『光をくれた人』
7.ジョン・リー・ハンコック『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』
9.マーク・ウェブ『gifted/ギフテッド』
10.ジョン・キャメロン・ミッチェル『パーティで女の子に話しかけるには』
ベストムービーは『8年越しの花嫁』。ほんとに良かった。キャストみんな良かったけど、佐藤健がまじでめちゃくちゃ良かった。今年の私的主演男優賞は『gifted/ギフテッド』のクリス・エヴァンスだと思っていたけど、最後の最後にやられた。佐藤健、あなたです。途中から(いや最初から)芝居に見えないのですよ。もうそこに生きているほんとうの人で、下手したら明日電車で隣り合わせるかもしれないような人で。うまく言葉にできないので、ここで、かつて数ある俳優の中で佐藤健を対談相手に選んだ理由を聞かれたときの木皿泉の言葉を引用したい。
本当に上手な俳優さんがいっぱいいて、みなさん私たちの想像以上の芝居をするんですけど、それは想定しているところの延長線上を上回るという意味の芝居なんです。だけど佐藤健さんは、ヘンっていうか、その根本が全然違うっていうか、私が思っているのと全然違うところで芝居をされるので。
そのときは分かるような分からないようなという感じだったけど、今はこの言葉がすごく腑に落ちるというか。「才能がある」という言葉一つで片づけるのは勿体ないくらいの何かがあるのですよ。この年末年始に『Q10』観直したいな。とにかく宣伝ポスターや予告編だけ見てスルーしている方たち、絶対に観たほうがいいです!!!8年という月日が120分という枠の中に収まっていること自体が奇跡みたいなことなんだけど、ちゃんとそこにあるから!!主題歌のback number「瞬き」もすごく良かった。
観れずじまいのものが13本。観たのと合わせると24本。やはり来年は月2本は観たい。以下、観れずじまいの作品リスト。
・20センチュリーウーマン(マイク・ミルズ)
・パターソン(ジム・ジャームッシュ)
・人生フルーツ(伏原健之)
・ラビング 愛という名前のふたり(ジェフ・ニコルズ)
・はじまりへの旅(マット・ロス)
・スウィート17モンスター(ケリー・フレモン・クレイグ)
・夜空はいつでも最高密度の青色だ(石井裕也)
・光(河瀬直美)
・ドリーム(セオドア・メルフィ)
・マンチェスター・バイ・ザ・シー(ケネス・ローガン)
ベストコミックは、西村ツチカ『北極百貨店のコンシェルジュさん』
ぶっちぎりのベスト!!!動物マンガを描きたいと思ったキッカケの一つが映画ズートピア』、絵柄はムーミンシリーズのトーベ・ヤンソンに影響を受けたとかもう信頼しかない。第5話の伏線の回収のうまさ、鳥肌立ったし、泣いてしまった。絶滅危惧種の動物たちに焦点を当てる、という発想だけでも、もう天才だと思うのです。1話完結なのでどこから読んでもいいし、何回読んでもわくわくする。
次点は、ヤマシタトモコ『違国日記』
この漫画家、書店で見かける度に気にはなっていたのだけど、ようやく買いたい!と心から思える作品に出会えたので思い切って購入。大正解。言葉ではなく表情にハッとする感じっていい作品には結構あるけど、その表情が相手の「当たり前」を壊すことに繋がっている感じがすごくてグッと来てしまう。裏表紙に載っている台詞、ずっとずっと忘れたくないくらい尊い言葉。紙質もすごく良い。
他には、こやまこいこ『スキップするように生きていきたい』、吉本ユータヌキ『おもち日和』の2冊に癒された年でした。きっとこれらの漫画を読んでいるときのわたしが一番優しい顔をしていたと思う。別の誰かの日常を見るのってこんなに楽しいんですね。年々、こういう子どものピュアな部分を全面的に出した作品に弱くなってきている気がします。
学校で次女を見かけた話#姉妹 #こやまこいこ漫画 pic.twitter.com/gqFZPB8AEW
— こやまこいこ (@koyamacoico) 2017年12月5日
娘のおかげでさむい朝も最近好きになってきました pic.twitter.com/gbEq3wsSaA
— 吉本ユータヌキ (@gonnakill_uta) 2017年12月20日
海街diary8巻読んだ。一つ一つの出来事が本当に丁寧に描かれていて、誰かのために何かをすること、それをまた違う誰かが認めてくれていること、そしてそれがしっかりとそれぞれの生きる希望に繋がっていること。思いやりのかたまりみたいな話。
— きょん (@kikocccoo) 2017年4月12日
そして、小説は窪美澄『やめるときも、すこやかなるときも』
わたしが絶対の信頼を置いている作家。細部までこだわって作ったんだなというのがいつも伝わってくる。この作品は、変にかまえることなく読めたので良かった。小説を読んで、映像化するならこの人だな、とすぐに思い浮かべられる人ってすごいなといつも思っていて、好きな作品が映像化されたときすぐに受け入れられないわたしですが、壱晴さんは加瀬亮がいいなと直感したという、そういう意味でも特別な一冊になったな。
そして、2017年において忘れてはならない、坂元裕二脚本のドラマ『カルテット』。『カルテット』の4人が大好きすぎて、最終回を想像して毎回さみしくなってしまうほどでした。「おいしいご飯を食べながら4人で食卓を囲むシーンは僕の癒しでした。最高でした。」という別府さん(松田龍平)のクランクアップ時のコメント、めちゃくちゃ泣けたなー。個人的に一番泣けたシーンは、マキさんをおびき寄せるために団地の近くで演奏したところかな。年明けにも広瀬すず主演の『anone』が控えていて、毎年のように彼の作品に触れられる幸せ。こんな幸せがあっていいものなのだろうか!まだまだ死ねないね!
2017年は死ぬまでに絶対叶えたいリストにも長い間ランクインしていた、YUKIのステージを観るということもフジロックで叶ってしまったし、念願のベートーヴェンの第九も初体験できたし(ぼろぼろ泣いた)、ああ、人間ってこうやって少しずつだけど自分の求めていたものに触れて、死に近づいていくんだなーと思った年でした。会いたい人にはちゃんと会えたし、おいしいカレーもたくさん食べたし、ありがとう2017。後悔はないか?と聞かれると、ちょっとたじろいでしまうわたしだけど、人生ってそんなもんだよね。では最後にわたしが今年一番心に残っている早川義夫の言葉を。
いい音はなつかしい。どこかで聴いたことがあるような気がする。それは、絵でも文章でもそうだ。ステキな人に出会った時もそうだ。しかし、どこかで聴いたのではない。どこかで見たのでも、触れたのでもない。かつてどこかで会ったのでもない。
会いたかった人なのだ。求めていたものなのだ。表したかったものなのだ。ずうっと心の中にしまってあったものなのだ。
ハロー30!
2017年8月6日、9年ぶりに関ジャニ∞のライブへ行ってきました。ここ数か月毎日朝起きたら体重を測るのが習慣だったのに、それをすっかり忘れてしまうくらいにはドキドキしていました。せっかく行くのだから存分に楽しまなきゃということで、最新アルバム『JAM』を友達に焼いてもらい(焼くって懐かしいな!CDを焼き合いっこするのってわたしの青春の一つだな!)ベストアルバムはレンタルショップで借りたものの、ベストアルバムの曲目を見てびっくり。知っていたのは「浪速いろは節」から「無責任ヒーロー」まで、つまり30曲中13曲。「愛でした。」はラジオで流れてきたときに、何これ、いい曲!と思って調べたものの、それ以外は全て初めまして。曲名すら知らなかった。いやあ、9年って長いんだな、と思った。
とくにこれといったキッカケがあったわけじゃないけど、学生時代を終えてから彼らとはほんとに無縁の生活を送っていたので、友達に誘われてからライブまでの約2ヶ月は、失ってきたものを取り戻すかのような勢いで彼らが出ている番組をチェックした。その中の一つ、NHKの『SONGS』という番組がわたしの中で眠っていたはずの彼らへの気持ちに再び熱を持たすことに。流れる過去の映像のほとんどがリアルタイムで追いかけていた時代のものだったので懐かしさ爆発。番組内で披露された「LIFE〜目の前の向こうへ〜」という曲はこのとき初めて聞いたのだけど、歌い出しのすばると亮ちゃんのところで、すばるの方見て笑う亮ちゃんを見た瞬間、何かが崩れ落ちて、その後その亮ちゃんを見て笑うたっちょんを見て思わず泣いた。ああ、この空気。全然変わってないって嬉しくて。
わたしは2005年〜2008年の間、彼らのことを追いかけていたので、初の東名阪ツアー、初の全国ツアー、初のドーム公演、ジャニーズ初の47都道府県ツアーなど彼らの「初」がつくものは全て行ったし、当時のレギュラー番組『スカJ』も『ほんじゃに!』(後に『ジャニ勉』)も毎週欠かさず観ていたし、ラジオも全て聴いていた。いやーほんとに好きだったんだなと今改めて思う。(ラジオなんて毎週MDに録音してルーズリーフに文字起こししてたよ。ひー)
でも当時は彼らだけじゃなくて、海外のバンドも、日本のバンドもたくさん聴いていたし、いろんなバンドのライブにも死ぬほど足を運んだし、長い通学時間はひたすら音楽を聴いて過ごしたし、授業と授業の合間は好きなバンドのPVを観るのが常だったし、今思えばよくもあんなにお金も時間もあったなと思うけど、これが華の大学生活ですよね。(アクモン観に武道館まで行ったのに音が割れて最悪だったなとか、キラーズ観に東京まで行く予定にしていたのに急にキャンセルになってあの時は怒ったなとか、今は無き心斎橋クアトロで最前列でレイザーライト観たなとか、毎日のようにMGMTの「Kids」聴いて踊ってたなとか、とか思い出したらキリがないね)
話が逸れたので戻すと、2005年に内くんの無期限活動停止があって、その時はメンバーもファンもほんとに悲しんだし、いつでも帰ってきていいからね、という空気がメンバーにもファンにも常にあって、それからのライブはサプライズで内くんが帰ってくるんじゃないか、っていつも気が気じゃなかったな。だから2007年の夏、初の東京ドーム公演のアンコールで内くんがサプライズでステージに登場したときのことは昨日のことのように覚えているなー。翌日早朝にスポーツ新聞買いに走ったなー。
「無限大」を歌うときはいつもピンクのライトだったなとか、「浪速いろは節」でヨコがライブで言う「どっこいしょー」が好きだったなとか、「ズッコケ男道」の大サビでメンバーが自己紹介するのいつも楽しみだったなとか、いつかのMステですばると亮ちゃんが手繋いで登場したときはやばかったなとか、色々思い出しまくって強力なセンチメンタルモードの中迎えたライブはというと、すっごく楽しかった!心から笑って、かわいさに悶絶して、かっこよさに痺れて、とにかく最高でした。「青春のすべて」は聞き入ってしまったよ。こういう曲をしっかり聞かせてくれるようになっているのはすごいことだな、と泣きそうになった。昔もバンドで数曲演奏したりはしていたけど、まさかライブの半分がバンドセットの時代が来るなんて思ってもみなかったな。あと、ヨコとヒナの歌がほんとに上手になっていて、みんなそれぞれ努力したんだなーと思ってまた涙ぐむ。とにかく、わたしの知らない彼らが約10年ある、という現実に嫉妬してしまうほど、彼らのいいところは全然変わってなくて、もうすぐ発売の新曲「奇跡の人」はライブでフルで聞いたら良すぎて、ああこのままずっと聴いていたいという気持ちになって、あーわたしは最高のタイミングで彼らと再会したんだなと胸が熱くなった。「大好き!」の気持ちが溢れてしまってなかなか収まってくれないので9月1日付けで関ジャニ∞のファンクラブに入りました。そしてわたし、9月3日に30歳になりました。30歳?え?わたしが?みたいな気持ちはまだまだ消えなさそうだけど、30代楽しくなりそうでわくわく。数ページの記事を求めて雑誌を買ったり、朝のワイドショーをチェックしたり、何一つ見逃すまい!みたいなことはできないけど、マイペースに彼らのこと応援していきたいです。久しぶりに、それこそ9年ぶりに「無責任ヒーロー」を聞いたら、当時は何も思わなかったヒナの「わろとったらええねん」に安心して泣きそうになったので、確実に時間は流れているけれど、今この瞬間は紛れもなく「これから」が楽しみで仕方ないのでこれでいいのだと思います。一度きりの人生、好きなものは好きだと胸を張って、生きなきゃ損損。人生は短いぞ!30代のわたしもよろしくね!
会えて良かったよ、すずさん
こうの史代原作、片渕須直監督・脚本『この世界の片隅に』やっと観れた。公開前からずっと観たいと思っていて、公開したらすぐにでも観に行こうと思っていたのに、こんなに遅くなってしまった。まだやってて良かった。観る前から期待がぱんぱんに膨れ上がっていたけど、そんなの軽く越えて本当に良かった。北條すずの声を担当したのんが素晴らしいのなんのって、みんな言ってるけど、それでも言いたくなるくらい素晴らしくって、もうどれくらい良いかなんて言葉で表せない。劇場を出てからも、すずさんのことばっかり考えてしまう。印象的なシーンはたくさんあったけど、わたしは最後の方のあるシーンですずさんが「うん」と言うところに一番グッときた。本当にさりげないのに「うん」というたった二文字からすずさんの人柄が滲み出ていて、ああ、すずさんだぁって安心せずにはいられないというか。あとは料理のシーンが音楽も含めて、めちゃくちゃ良かった。パンフレットも迷わず購入したけど、ホームページやチラシやポスターでよく目にするあのイラストには続きがあったなんて、パンフレットを開いて泣いた。すずさん、すずさん、もう会いたいな。明るい映画ではないけど、くすっと笑えるところもあって何より、食べるものもろくに手に入らない時代に毎日いろいろと工夫をしながら懸命に生きるすずさんのひたむきさに、生きていく上で一番大切なものはこれだよ、と教えてもらったような気がする。この映画を見て感じたことを忘れないようにしていくつもりだけど、わたしは忘れっぽいからきっと忘れてしまったりもするから、忘れないように上映している間は何回も劇場に足を運びたいな。まずは原作を読んで、年内に2回目観に行きたいです。
obscure
今自分が持っている本やCDをあと何回読んだり聞いたりできるんだろう、と考えると人生って短いな、なんて弱気になって。そろそろちゃんとしよう、と思ってからずるずる月日は流れて、さてこれからわたしはどこに行くのなんて、誰が答えられるのでしょう。時間が足りない、という感覚よ、ずっと続け!でないとわたしはあるはずがない永遠を信じてしまうよ。
こざわたまこ『負け逃げ』を読んで
抜け出したい、という感覚は、ここじゃない、わたしがいる場所は、わたしはこんなもんじゃないと言い聞かせるおまじないみたいなもの。執着じみたこの感情は、わたしたちの生きる糧。生命力の源。この感覚こそが、自由と希望の世界(田舎に生まれたら本当にそう見えるのよ)都会とはかけ離れた世界に住む自分を繋ぐ唯一の糸であるかのように。切れたらこの世の終わりとでもいうように。仮に抜け出したからといって、何が変わるというのだろうか。きっと何も変わらない。そんなことは誰も知っている。でも、匂いが空気が、そう思わずにはいられない。狭い世界は生きづらい、それは本当だ。でもそれは裏返すと守られている、ということなのかもしれない。何もないということが不自由とイコールではないということが分かったら。窓を開け放して寝るとか、大好きな音楽を大きな音で聴くとか、お風呂でなりきって歌うとか、すれ違いざまに交わす「こんにちは」が生む温かみとか、そんな当たり前のことが実は生きていく上ですごく大切で、愛おしいことに気づけたら。この町の空気が、風が、聞かせて、君のこと、なんて。随分と、この町のせいにして生きてきたけど、これからはちょっと愛せるかな。
- 作者: こざわたまこ
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twenty-eight
28才になりました。この仕事やってて良かったな、って何度も思った日でした。この歳になっても、結婚もせずにこうなりたい!っていう理想像みたいなものをずっと追いかけて生きているのだけど、ふとした瞬間に先のことが不安になったりして、でも今日、わたしが今いる場所は間違ってないよ、と周りに教えてもらったので、どんどんやりたいことをやっていこうと思いました。いい日だったな、今日。