秋めく

自分のパン屋さんを開くのが夢だった友達と、自分のお店を持ったら、BGMや商品のポップを担当させてねという約束を昔したのだけど、果たして友達はその約束を覚えているのだろうか。それとも、もうそれ以上に大切なものを見つけてしまったのだろうか。こういうことを考えていると、わたしは何も変わってないなあと思う。

サマー

6日間の夏休みが終了して、ゆっくり休む間もなく働いて、明日は久しぶりの完全オフ。劇団四季のリトルマーメイド、ヘレン・シャルフベック、ダバインディアのカレー、フジロック、映画『バケモノの子』(涙が止まらなかった!)、なんだか欲張りすぎな気もするけれど、全部これからのわたしの生きる糧となる気しかしない!休みの間に1冊読もうと、朝井リョウの『何者』を持ち歩いていたけど、どうも本を読みたい気分にならなくて、読めず。夏の間には読みたいな。そして、ここ2ヶ月の間、再会ラッシュ。しかもほとんどがいつぶりか思い出せないほど久しぶりの顔ぶれ。楽しいな。心からそう思う。そして嬉しいことにその流れはもう少し続きそう。友情というのは、会う回数に比例しないとは思っているけど、今この流れで会えないとちょっと疑ってしまうな。

最近触れたものの感想を。単なる備忘録。
シャムキャッツ×Yogee New Waves@十三FANDANGOへ。大好きなバンドのツーマン。菅原くん、垢抜けたなあ。いい意味で夏目くんに遠慮がなくなった。「PM 5:00」でちょっと泣いた。夏目菅原の歌の掛け合いがあまりにも素晴らしくて。この曲はこれからのシャムキャッツを支えていく大事な大事な曲になりそうだね。終演後に流れたのが、The Kinksの「All Day and All of the Night」って、最高かよ!Yogeeは、どうしても角舘くんを目で追ってしまうよ。

映画『海街diary』を観た。無駄がなくて、良かった。一つ一つがとても丁寧で、瞬きするのが惜しい。と同時に原作からはあまり感じ取れない、4姉妹それぞれの内から滲み出る美しさに慄いた。原作ファンのわたしにとっても、映画『海街diary』は原作と切り離して、一つの作品として観ることができたし、素直に素晴らしいと思えた。あと、何よりも風太役の前田くん最高!

小学生のいとこを連れて『インサイドヘッド』を観に行った帰り、カナシミ良かったねという話で盛り上がって、一キャラとしてカナシミが好きな程度なのかなあと思っていたら、「生きていくにはカナシミも必要だってことだよね」ってあまりにもしんみり言うから、わたし「そうだね」って真面目に答えちゃった。急に思い立って『天使なんかじゃない』を読む。8巻までノンストップで駆け抜ける。泣く。これを超える恋愛マンガにはまだ出会えてないなあ、と思う。

微笑んで

くるり、1st『さよならストレンジャー』2nd『図鑑』の再現ライヴ「NOW AND THEN」行ってきました。制作当時に抱いていたであろうフラストレーション、鋭い言葉の数々、あらゆるものが詰まりに詰まった、いい意味で剥き出しもいいところの曲たちを今のくるりが演奏する。過去に縛られたものとしてではなく、今のものとして鳴らす。そして、これからに続いていくように。NOW AND THEN。はー、すごかったなー。変な曲(もちろん褒め言葉だよ!)が続いた果てに待っているのは、「宿はなし」なんだもんなー。すごいなあ、くるり

いやあー、音楽ってたまらないわ、ほんとに。潜っても潜っても、近づけない。でも泳ぐことはできる。きれいなものも汚いものも見える。分かった気になっては、ハッとさせられて、の繰り返し。楽しいなあ。生きている喜び。明日への希望。音楽を聴いて、たくさん話をしたい。難しい話はよく分からないけど、あのギターたまらないよねとか、あのバスドラが入るタイミング完璧だよねとか、あのMVやばいよねとか、あの曲からあの曲に続く瞬間とかもうね、とかあーでもないこーでもないってたくさん話をしたい。聞こえてくる音に耳を澄ませて、飛び込んでくる言葉に耳を傾けて、それでたくさん話をしたい。
「ホームラン」がなかったら座り込んでしまっていたかも、というほど全身に力が入って、へろへろ。なので、まっすぐお家に帰ってベッドで寝ます。とっても贅沢な夜でした。幸せ!

hope

奏でる音楽が多少良くても、MCで話し出したらあほ丸出しなバンド。「あほ」にもいろいろあって、本当に頭が悪いあほは大嫌いです。代替が利くバンドもどーでもいいです。年明け一発目のライブは、Yogee New Waves。やっと観れた。すごかった、、、心地良いビートに包まれて、音楽ってたまらないなあ、という感覚ではなく、その微睡みの中に「生きること」への執着心が感じられて感極まってしまった。新曲も良かったけど、最後に演った「Listen」が個人的ハイライトでした。やっぱりバンドにはドラマがないとね!Yogee、最高!

今では年間10回も足を運ばなくなったライブ。珍しく4月は3本行く予定。踊ってばかりの国シャムキャッツ、そしてくるりくるりは、『さよならストレンジャー』『図鑑』の再現ライブなだけでもやばいのに、場所がサンケイホールブリーゼ。ドキドキ。余談だけど、今更?とか言われてしまいそうだけど、Ásgeirにハマってます。

MY FAVOLITE SONGS of 2014

大晦日。部屋をきれいにして、お気に入りのマグカップで白湯を飲みながらブログの更新を試みる。年末だから?年だから?ここ最近、日々流れてくる情報量の多さについていけません。(あんまりついていく気はないけど。でもちょっと大事な情報を見逃していたらどうしよう、と焦ったりもして)とりあえず、年明けのこれは絶対に見逃せないぞ!というラインナップのライブのチケットは確保した。2014年は日本のバンドをたくさん聴いた年でした。そんなわたしの心を揺さぶった最高の曲たちを順不同で。


MODELS / シャムキャッツ
年明け早々、アルバム『AFTER HOURS』からリードトラック「MODELS」のミュージッククリップが公開されたときは興奮したなー。アルバムリリース前にFANDANGOでアルバム収録曲をたくさん聴いて、「最後に最近一番お気に入りの曲を演って終わります」と夏目くんが言って、演奏された「MODELS」。さらっとそんなことが言えちゃうフロントマン、夏目くんぐらいでしょ。かっこ良すぎ。


東京 / 踊ってばかりの国
下津くんの声はもっともっと大事にしないといけないと思う。


Forever / Ykiki Beat
聴いた瞬間、これは!!!!!(>_<)(>_<)(>_<)となった曲。今年出会えて良かったと思った曲のうちの1つ。こういうバンドが、やっぱり海外のバンドだよなーとかしょうもないことを言っている人たちに、ざまあみろってしてくれるのです。


Climax Night / Yogee New Waves
今年出会えて良かったもう一つのバンド。踊ってばかりの国と似てると言われてるけど、全然似てないっつーの。下津くんがギターの音はあったかくないとだめ、って言ってたけどYogeeのギターは合格でしょ。


瞬間 / 王舟
気がついたら口ずさんでいた曲。大好きな曲。まだ生で観たことはないけど、この映像を見る限り、ギターの音を初めとしてこの曲を構成するあらゆる音がエモすぎて、どうにかなってしまいそうです。


Never Know / Jack Johnson
今年フジで観たJack Johnsonがあまりにも良くて、今年は彼の旧譜をたくさん聴きました。


Nothing More Than Everything To Me / Christopher Owens
Christopher Owensの新譜が良すぎて、、、その中でもこれは特にお気に入りの曲。


Shake It Off / Taylor Swift
テレビよりラジオ派のわたしは、今年の後半はこの曲を聞く機会が本当に多かった。この曲を耳にする度に勇気づけられて、車を運転中でも踊ったのでした。最高。


書いている途中に新年を迎えてしまったので、新年早々パソコンとにらめっこしているなんてなんだか悲しいので、以下コメントなしでリンクだけ貼ります。ごめんね。


Keep In The Dark / Temples


Do You / Spoon


Wrong Club / The Ting Tings


Since Last Wednesday / Highaskite


Bathroom Tile Blues / The Orwells


恋する団地 / ayU tokiO


明日の歌 / aiko


There is(always light) / くるり
2014年はくるりなしには語れないね。この曲から滲み出る、生きることへの肯定感。これを生命力と呼ばずになんと呼ぶ。くるりが生み出した名曲。くるりにしか生み出せない名曲。

生きてこそ

短期間にいろんなことが起こりすぎて、一日の終わり、という区切りがなくて目が回りそう。夢のような時間も、世界の終わりのような時間も、全部抱きしめて生きていかなきゃ。鯛焼きが美味しかった、ただそれだけのことなのに今日もわたしは泣いてしまう。

くるり 『THE PIER』を聴いて

これは毎日同じ景色を見て、同じところを歩いて、似たようなものを食べて、寝て起きてを繰り返している人にはちょっと刺激が強すぎて、凄すぎて泣いてしまうんじゃないかなあ。え、俺泣いてる?みたいなことになっちゃうかもしれません。いやあ、でもこれは泣いちゃうよ。すごいよ、くるり。曲一つ一つははっきり言って、あっち行ったりこっち行ったり奇想天外なアイディアだらけでそう来る?の連続に眩暈すら覚える。野球に例えたらピッチャーが投げる球の緩急の差にまんまとやられて、バットに球がかすりもしないままアウトにされる、そんな感じ。わたしにはこの音楽が何に影響を受けて、どこに向かっているかなんて分からない。もしかしたら何一つ分かってないかもしれない。でも確かにこの14曲はしっかりとまとまっているし、そしてどの曲もくるりが生み出したものだと分かる。まず、そこに感動せずにはいられない。

この曲やばいやばいと一つの曲に対して覚える興奮と、アルバムを通して聴くことによってふつふつと沸き上がってくる興奮のボルテージは比べものにならないんだった。そうだった、とアルバムを聴くことに対する本来の楽しみを思い出させてくれる。くるりが産み落とした『THE PIER』は、このご時世「曲単位」でしか音楽を聴かない(聴けない)若者への挑戦状だ。くらえ。騙されたと思って聴いてみろ。なんだこれと思っても最後まで聴いてみろ。もしかしたら、人生変わるかもよ。

とにかくこの『THE PIER』というアルバムは、聴くことが楽しい。それはタナソーが『THE PIER』を「これから名付けられることを待っている音楽」と記したように、このアルバムの音そのものに加えて、このアルバムを聴くことによって湧き出る感情や思考がわたし、多分ほとんどの聴き手にとってもsomething newなものだからなのだと思う。新しいもの、得体の知れないもの、はいつだってわくわくする。ずっとそういうものであってほしいと思うし、そういうものに触れていたいと思う。まあ、このアルバムの一番の魅力は、一筋縄ではいかない楽曲、幾重にも重なった音が生み出した濃密な音の世界なのだろうけど、それ以上にこのアルバムには、言葉を手に入れたが故に私たちが失ったもの、つまり言語化できないものがたくさん詰まっているからなのだと思う。
とまあ、この作品の素晴らしさを語る上で歌詞の引用は全く必要ないのだけど、ふとした瞬間に飛び込んでくるフレーズがあまりにも素晴らしい。

流れ出した涙を バターで煮詰めて
「Brose & Butter」

泣いたのは お互い昨日の話で
「Amamoyo」

「生きること」に対するこの程よい余裕と前向きさ。

わたしが愛してやまない作家・窪美澄、脚本家・木皿泉とはまた違う視点で、生きねば、と「生きること」に対する使命感と共に、「生きること」に真っ向から向き合う生命力が感じられて、またグッとくる。『THE PIER』、それはわたしにとって「Remember me」の歌詞を引用させてもらうと、「遠く離れた場所であっても ほら近くにいるような景色」。Vampire Weekendの『Modern Vampires of the City』を聴いたときの興奮とはまた違った興奮を与えてくれる。1年前、フジのグリーンステージでVampire Weekendを観たときに「世界一クールなバンドを観てしまった」と呟かずにはいられなかったような高揚感を、くるりというバンドが近い将来、私たちに味あわせてくれると期待せずにはいられない。

フジロックのような世界的なフェスで「Liberty & Gravity」で世界中の人たちが踊って、目が合ったら笑って、ってそんなことを想像しただけで涙が溢れてきそう。

SNSを通して、タナソーと岸田繁が『THE PIER』のライナーノーツの話をしていて、死んだときに棺桶に入れる云々の話になった後に、岸田繁が「俺は死なねぇし、大事な人を死なさないよーだ」と呟かずにはいられなかった感じとか、もうグッと来すぎてまた泣きそうになったり。いやあ、くるり好きで良かったです。

CDに封入されているタナソーの愛情たっぷりのライナーノーツ(これがまた泣ける)も「くるりの一回転」|くるり official|noteも必読。