かぞく

是枝裕和監督『万引き家族』を観た。この作品を国内外で高い評価を得ている是枝監督が作ってくれたことに本当に意味があるし、一般公開されて、観ようと思えば誰でも観れるという現状は奇跡に近いことだと思う。花火見えないよ、音だけと言いながら順番に縁側に寄ってきて空を見上げる、上から撮影のシーン、今思い出してもめちゃくちゃ泣ける。あのシーンはどこからどう見ても家族だった。そもそも「家族」って?血の繋がりがあるから困っていたら助けるのではなくて、困っていたら助けるというのが大前提で、それが人情なのであって、そこに血の繋がりがあるかないかなんて二の次で。君のことが気になるから、君のことを思うから、君に手を差し伸べるし、目が合うと笑ったりもするし、抱きしめたりもするし、その延長線に絆みたいなものが生まれたのだとしたら、それは胸を張って「家族」と呼んでいいんだと思う。だけど乱暴に言ってしまえば、「家族」なんてただの言葉だ。かぞく、かぞく、かぞく。ほら口にすればするほど嘘っぽくて、偽物とか本物とか言い出したら、もうすべてが嘘っぽい。「家族」=「血の繋がりがある」という方程式は、もう通用しない時代に突入しているのかもしれない、というかそもそもこの方程式が正しいとは限らないのだということをいい加減認めるべきなのかもしれない。とにかく、『万引き家族』においてそれぞれを繋ぎとめる絆みたいなものが確かにそこにあったし、きっとそれは「家族」と呼んでいいものだと思うし、その絆を血の繋がりがあるかないかだけで第三者にバラバラにされてしまうというのはとても残酷なことだった。家族とは?生きていく上で大切なこととは?色々と考えさせられる作品でした。ちなみにわたしは家族が大好きです!


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